飲食店FLコストの改善管理

飲食店のFLコストとFL比率について、食材費・人件費の計算方法、目安、改善ポイントを店長向けに解説します。手作業管理の限界と原価管理システム活用も紹介します。

飲食店で売上があるのに利益が残らない場合、原因のひとつにFLコストの管理不足があります。FLコストとは、Foodである食材費と、Laborである人件費を合計した費用です。

食材費も人件費も、店舗運営に欠かせないコストです。そのため、単純に削減すればよいものではありません。大切なのは、売上高に対してどれくらいの割合を占めているかを把握し、自店に合った目安でコントロールすることです。

飲食店 FLコストの食材費と人件費を示す図解

飲食店のFLコストとは

FLコストとは、飲食店の食材費と人件費を合わせたコストです。食材費には、料理やドリンクに使う材料費、仕入れ価格、廃棄ロスなどが関係します。人件費には、社員やアルバイトの給与、シフトに入った時間、教育にかかる負担などが含まれます。

FLコスト = 食材費 + 人件費

飲食店経営では、家賃、水道光熱費、広告費、消耗品費なども発生します。ただし、その中でも食材費と人件費は金額が大きく、日々の営業で変動しやすい費用です。だからこそ、FLコストは利益率や営業利益を左右する重要な指標になります。

FL比率の計算方法

FL比率は、売上高に対してFLコストがどれくらいの割合を占めているかを示す数値です。月ごとの売上、食材費、人件費がわかれば、簡単に計算できます。

FL比率 = FLコスト ÷ 売上高 × 100

たとえば、月の売上高が300万円、食材費が90万円、人件費が75万円の場合、FLコストは165万円です。165万円 ÷ 300万円 × 100で、FL比率は55%となります。

飲食店 FLコストとFL比率の計算方法

FL比率は、売上が伸びているかではなく、売上に対して食材費と人件費が重くなっていないかを見るための数字です。

FLコストの目安と考え方

飲食店のFL比率は、一般的に60%前後がひとつの目安とされます。ただし、業態によって適正な比率は異なります。高級店や寿司店のように食材原価が高い店舗もあれば、カフェやファストフードのように人員配置やオペレーションで差が出やすい店舗もあります。

目安を見るときは、FとLの合計だけでなく、内訳も確認しましょう。食材費が高いのか、人件費が高いのかで、改善方法は変わります。

状態見方主な確認ポイント
FL比率が低い利益は残りやすい品質や接客が落ちていないか
FL比率が目安内安定しやすい月別推移を維持できているか
FL比率が高い利益を圧迫しやすい仕入れ、ロス、シフトを見直す

独自の視点として、月別推移で見ることも大切です。1か月だけの数字で判断すると、イベント、天候、季節メニュー、仕入れ価格の高騰などの影響を見落とすことがあります。過去データと比較し、いつから悪化したのかを確認すると原因を探しやすくなります。

食材費を改善するポイント

食材費を抑えるときは、安い食材に変えることだけを考えないようにしましょう。料理の品質が落ちると、顧客満足度や来店回数に影響する可能性があります。まずは、無駄な仕入れや廃棄を減らすことから始めるのがおすすめです。

  • 材料ごとの仕入れ価格と内容量を記録する
  • メニューごとの使用量を決める
  • 廃棄や食材ロスが多い商品を確認する
  • 仕入れ先や発注量を定期的に見直す
  • 価格変更日を残して月別原価を比較する

特に、仕入れ価格が変わったときに古い単価を上書きしてしまうと、過去の原価が変わって見えることがあります。価格変更日を残しておくと、何月から原価率が悪化したのかを正確に把握しやすくなります。

人件費を改善するポイント

人件費は、単純にスタッフ数を減らせばよいわけではありません。人員を削りすぎると、接客の質が下がり、提供時間が長くなり、売上やリピート率に影響することがあります。

  • 曜日別、時間帯別の売上を確認する
  • 忙しい時間に人員を集中させる
  • 作業マニュアルを整えて教育時間を減らす
  • 調理や注文のオペレーションを見直す
  • 少人数でも回る業務の仕組みを作る

人件費の改善では、シフト管理と業務効率化を合わせて考えることが重要です。売上が少ない時間帯に人員が多く、売上が高い時間帯に人手不足になっている場合は、利益だけでなくサービス品質にも影響します。

手作業管理の限界とシステム活用

FLコストはExcelでも管理できます。材料数やメニュー数が少ないうちは、売上高、食材費、人件費を入力するだけでも十分に役立ちます。ただし、店舗運営が進むほど、仕入れ価格の変更、メニューごとの原価率、月別比較、廃棄ロスの確認など、管理する項目が増えていきます。

手作業では、入力ミスや計算式の崩れ、過去データの上書きが起こりやすくなります。特に、メニューごとの原価とFL比率を一緒に見たい場合は、原価管理システムを使うと確認しやすくなります。

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よくある質問

Q. FLコストとFL比率の違いは何ですか?

A. FLコストは食材費と人件費の合計金額です。FL比率は、そのFLコストが売上高に対して何%を占めているかを示す割合です。

Q. 飲食店のFL比率は何%が目安ですか?

A. 一般的には60%前後が目安とされます。ただし、業態、客単価、家賃、人員体制、メニュー構成によって適正な数値は異なります。

Q. FLコストは低いほど良いですか?

A. 低ければ必ず良いとは限りません。食材の品質やスタッフ数を削りすぎると、料理や接客の質が落ち、売上低下につながる可能性があります。

まとめ

飲食店のFLコストは、食材費と人件費を合計した重要な経営指標です。FL比率を計算することで、売上高に対してコストが重くなっていないかを確認できます。

改善するときは、食材費と人件費をまとめて見るだけでなく、月別推移、メニュー別原価、シフト、廃棄ロスまで分けて確認することが大切です。まずは自店の数字を見える化し、無理のない改善から始めましょう。

※この記事内の数値例は、原価計算の考え方を説明するためのサンプルです。実際の原価率や適正価格は、業態、仕入れ条件、地域、メニュー構成によって異なります。

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