飲食店の利益を確認するとき、原価率だけでは見えない数字があります。それがFL比率です。FL比率は、食材費と人件費の合計が売上に対してどれくらいを占めているかを表す指標です。
売上が伸びていても、食材費や人件費が増えすぎると利益は残りません。FL比率を計算すると、店舗全体のコストバランスを確認し、値上げ、仕入れ、シフト調整の判断に使いやすくなります。

FL比率計算でわかること
FL比率は、Foodの食材費とLaborの人件費を合わせて見る数字です。飲食店ではこの2つの費用が大きいため、FL比率を計算すると利益が残りやすい状態かどうかを確認できます。
原価率が低くても人件費が高ければ利益は残りにくくなります。逆に人件費を抑えていても、仕入れ価格や廃棄ロスが増えていればFL比率は悪化します。
FL比率計算は、食材費と人件費を別々に見るのではなく、店舗全体の利益の残り方を見るための計算です。
FL比率の計算式
FL比率は、食材費と人件費を合計し、売上高で割って計算します。月ごとに確認する場合は、売上、食材費、人件費の集計期間をそろえることが大切です。
FL比率 = (食材費 + 人件費) ÷ 売上高 × 100
食材費には、料理やドリンクに使う材料費、仕入れ費用などが含まれます。人件費には、社員給与、アルバイト代、手当、法定福利費などを含めて考えます。

計算例で確認するFL比率
実際の数字で考えると、FL比率は理解しやすくなります。たとえば、月の売上高が300万円、食材費が105万円、人件費が90万円だった場合を見てみましょう。
| 項目 | 金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 売上高 | 300万円 | 1か月の売上 |
| 食材費 | 105万円 | 材料や仕入れ費用 |
| 人件費 | 90万円 | 給与やアルバイト代など |
| FLコスト | 195万円 | 食材費と人件費の合計 |
195万円 ÷ 300万円 × 100 = 65%
この例では、売上の65%が食材費と人件費に使われていることになります。一般的には60%前後がひとつの目安とされることがありますが、業態や客単価によって適正な数字は変わります。
計算するときの注意点
FL比率を計算するときは、数字の期間をそろえることが重要です。売上は月末締め、仕入れは請求書単位、人件費は給与締め日でずれていると、正しい比較がしにくくなります。
- 売上高の対象期間を決める
- 食材費と人件費の期間をそろえる
- 仕入れ価格の変更日を残す
- 月別に同じ条件で比較する
- 数値だけでなく粗利額も確認する
独自の視点として、FL比率は計算した数字だけを見るのではなく、前月との差を見ることが大切です。急に悪化した月があれば、仕入れ価格、人員配置、売上減少のどれが原因かを追いやすくなります。
FL比率を改善に使う方法
FL比率が高い場合、すぐに人件費を削る、すぐに値上げする、と決めるのは危険です。まずは食材費と人件費のどちらが重くなっているのかを分けて確認しましょう。
- 高原価メニューを確認する
- 売れ筋商品の粗利額を見る
- 廃棄ロスや仕込み量を見直す
- 時間帯別のシフトを調整する
- 値上げ判断を商品ごとに分ける
高原価でも集客に役立つ商品は、単純に廃止しないほうがよい場合があります。FL比率だけでなく、粗利額、注文数、リピートへの影響も合わせて判断しましょう。

Excelや手作業管理の限界
FL比率の計算はExcelでもできます。売上、食材費、人件費を入力すれば、月ごとのFL比率を出すことは可能です。
ただし、メニュー数や材料数が増えると、仕入れ価格の変更、商品ごとの原価、月別推移の管理が複雑になります。過去の単価を上書きしてしまうと、どの時点から悪化したのかもわかりにくくなります。
原価管理システムを使うメリット
原価管理システムを使うと、材料マスタ、メニュー原価、原価率、月別の数字をまとめて確認しやすくなります。FL比率のうち、食材費の部分を正確に把握しやすくなる点が大きなメリットです。
人件費と組み合わせて確認すれば、利益が残らない原因を感覚ではなく数字で判断できます。店舗運営では、計算することよりも、計算した数字を改善に使える状態にすることが重要です。
COST PANDAは、飲食店の原価管理をかんたんに始められる原価計算システムです。
材料マスタ、メニュー登録、原価率計算、年間損益管理、ダッシュボードでのグラフ確認など、飲食店に必要な原価管理をシンプルにまとめています。
まとめ
飲食店のFL比率計算は、食材費と人件費の合計を売上高で割って確認する基本的な管理方法です。数字を出すことで、利益が残りにくい原因を見つけやすくなります。
まずは月ごとの売上、食材費、人件費を同じ期間で整理しましょう。そのうえで、原価、シフト、メニュー構成を見直すと、改善すべきポイントが見えやすくなります。
※この記事内の数値例は、原価計算の考え方を説明するためのサンプルです。実際の原価率や適正価格は、業態、仕入れ条件、地域、メニュー構成によって異なります。
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