飲食店の変動費は、売上や来店数、販売数に応じて増減する費用です。食材費、包材費、決済手数料、デリバリー手数料、一部の人件費、水道光熱費などが増えると、売上が伸びていても利益が残りにくくなります。変動費を正しく管理するには、単に費用を減らすのではなく、売上に対してどの費用がどれだけ増えているかを確認することが重要です。

飲食店の変動費とは
飲食店の変動費とは、売上や営業量に合わせて金額が変わる費用のことです。お客様が増えれば食材の使用量が増え、テイクアウトが増えれば包材費が増え、デリバリー注文が増えれば手数料も増えます。
一方、家賃や固定契約のリース料、保険料のように、売上に関係なく毎月発生する費用は固定費に分類されます。変動費と固定費を分けて見ることで、売上が増えたときに利益が残りやすい店舗なのか、売上と一緒に費用も増えてしまう店舗なのかを判断しやすくなります。
主な変動費の項目
変動費を管理するときは、まずどの費用が売上や販売数に連動しているかを整理します。飲食店で特に確認したい項目は次の通りです。
- 食材費や飲料原価
- テイクアウト容器、袋、割り箸などの包材費
- デリバリーサービスや予約サイトの手数料
- キャッシュレス決済の手数料
- 売上に応じて増えるアルバイト人件費
- 営業量に応じて増える水道光熱費や消耗品費
特に食材費と人件費は、店舗利益に大きく影響します。売上が伸びているのに利益が残らない場合、売上に対して変動費が増えすぎていないかを確認する必要があります。

変動費率の考え方
変動費率とは、売上に対して変動費がどれくらいかかっているかを示す割合です。
変動費率 = 変動費 ÷ 売上 × 100
たとえば売上が300万円、変動費が180万円なら、変動費率は60%です。
飲食店では、食材費や人件費を含めたFLコストの管理がよく使われます。一般的にはFL比率60%前後を一つの目安として見ることがありますが、業態、客単価、提供方法、営業時間によって適正値は変わります。目安だけで判断せず、自店のメニュー構成や人員体制に合わせて確認することが大切です。
変動費が増えすぎる原因
変動費が増えすぎる原因は、売上増加だけではありません。現場の運用やメニュー設計のズレによって、費用が必要以上に膨らむことがあります。
- 仕入価格が上がっているのに売価を見直していない
- レシピの使用量が決まっておらず盛り付け量に差がある
- 仕込みすぎや廃棄ロスが発生している
- テイクアウト容器やサービス品の費用を計算に入れていない
- デリバリー手数料を売価に反映できていない
- 売上の波に対してシフト人数が合っていない
特に注意したいのは、売上を増やすための施策が、同時に変動費を増やしているケースです。割引、デリバリー強化、セット販売は売上を作りやすい一方で、原価や手数料を含めて確認しないと利益を削ることがあります。
変動費を見直す基本手順
変動費を見直すには、まず月ごとの売上、食材費、包材費、手数料、人件費を分けて記録します。次に、売上に対する割合を確認し、前月や前年と比べて増えている項目を探します。
食材費が増えている場合は、仕入単価、使用量、廃棄ロス、メニュー別原価を確認します。包材費が増えている場合は、テイクアウトやデリバリーの売価に容器代が反映されているかを見直します。人件費が増えている場合は、時間帯別の売上とシフト人数を照らし合わせます。
変動費を注文単位で見ること
変動費は月単位で見るだけでは、どの注文が利益を残しているのかが見えにくくなります。重要なのは、注文1件あたりに発生する変動費を確認することです。店内飲食、テイクアウト、デリバリーでは、同じメニューでも包材費や手数料が変わります。
変動費は売上全体ではなく、注文形態ごとにいくら増えるかを見ると改善点が見えやすくなります。
店内では利益が残る商品でも、デリバリーでは手数料と容器代で利益が薄くなることがあります。販売チャネルごとに変動費を分けることで、価格設定や販売方法を判断しやすくなります。
変動費管理は原価管理とセットで考える
変動費を下げることだけを目的にすると、食材の質を落としたり、必要な人員を減らしすぎたりして、満足度やリピート率に影響することがあります。大切なのは、売上に対して必要な費用と、見直せる費用を分けることです。
COST PANDAでは、材料マスタやメニューごとの原価管理を通じて、売価、食材原価、原価率を確認しやすくできます。変動費を感覚で判断せず、メニュー別の原価や販売数とあわせて利益構造を見直したい飲食店は、まず日々の原価管理から整えてみてください。
※この記事内の数値例は、原価計算の考え方を説明するためのサンプルです。実際の原価率や適正価格は、業態、仕入れ条件、地域、メニュー構成によって異なります。
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