飲食店の損益計算とは?項目と見方

飲食店の損益計算について、売上、原価、経費、粗利、営業利益、損益分岐点の見方と改善方法をわかりやすく解説します。

飲食店の損益計算は、売上から原価や経費を差し引き、店舗にどれだけ利益が残っているかを確認するための基本です。売上が増えていても、食材費、人件費、家賃、水道光熱費、決済手数料などが増えていれば、利益は思ったほど残りません。損益計算を行うことで、感覚ではなく数字をもとに、値付け、仕入れ、人員配置、メニュー改善を判断しやすくなります。

飲食店 損益計算を確認する店長のイメージ

飲食店の損益計算とは

飲食店の損益計算とは、一定期間の売上と費用を整理し、利益または赤字を確認する作業です。月ごと、年ごと、店舗ごとに数字をまとめることで、経営状態を把握できます。

基本の考え方は、売上 − 原価 − 経費 = 利益です。たとえば月商300万円、食材原価90万円、人件費90万円、その他経費90万円の場合、利益は30万円です。このとき営業利益率は、利益30万円 ÷ 売上300万円 × 100で10%になります。

損益計算で見るべき項目

損益計算では、売上だけでなく、費用を項目ごとに分けて見ることが重要です。すべてをまとめて経費として扱うと、どこに問題があるのか見えにくくなります。

  • 売上は料理やドリンクを販売して得た金額
  • 売上原価は食材や飲料など商品提供に直接かかる費用
  • 粗利は売上から売上原価を差し引いた金額
  • 人件費はスタッフ給与、社会保険料、外注費など
  • 固定費は家賃、リース料、保険料など売上に関係なく発生する費用
  • 変動費は水道光熱費、消耗品費、決済手数料など売上や営業量に応じて増減する費用

これらを分けて確認すると、原価が高いのか、人件費が重いのか、固定費に対して売上が不足しているのかを判断しやすくなります。

飲食店 損益計算書を表で確認するイメージ

粗利と営業利益の違い

損益計算で混同しやすいのが、粗利と営業利益です。粗利は、売上から食材原価を差し引いた段階の利益です。売価1000円の商品に食材原価が300円かかる場合、粗利は700円、粗利率は70%です。

営業利益は、粗利から人件費、家賃、水道光熱費、広告費などを差し引いたあとに残る利益です。粗利が出ていても、営業利益が少なければ、店舗経営としては余裕がありません。粗利はメニューの収益性、営業利益は店舗全体の収益性を見る数字と考えると整理しやすくなります。

損益分岐点も確認する

損益計算では、利益が出ているかだけでなく、どれくらい売れば赤字にならないかも確認しておきたいところです。これを損益分岐点といいます。損益分岐点を把握すると、最低限必要な売上や、値上げ、原価改善、人件費調整の必要性が見えやすくなります。

たとえば、固定費が大きい店舗では、一定以上の売上がないと利益が残りません。反対に、固定費を抑えた小規模店舗では、売上が大きくなくても利益を残しやすい場合があります。自店の損益分岐点を知ることは、無理な販促や感覚的な値引きを避けるうえでも重要です。

損益が悪化する主な原因

飲食店の損益が悪化する原因は、売上不足だけではありません。売上があっても、費用構造が合っていなければ利益は残りません。

  • 仕入価格が上がっているのに売価を見直していない
  • 原価率の高いメニューが売上の中心になっている
  • 仕込みすぎや廃棄ロスが増えている
  • 売上の少ない時間帯に人員が多い
  • 家賃やリース料など固定費が重い
  • デリバリー手数料や決済手数料を反映できていない

特に注意したいのは、売上だけを追いかけることです。原価の高い商品ばかり売れている場合、売上は増えても利益率は下がります。

損益を時間帯別に見ること

損益計算は月単位で見ることが多いですが、飲食店では時間帯別に見る視点も役立ちます。ランチ、アイドルタイム、ディナー、週末では、客数、客単価、人員数、提供メニューが変わるため、利益の出方も変わります。

損益は月末の結果だけでなく、どの時間帯が利益を作り、どの時間帯が利益を削っているかで見ることが重要です。

たとえば、売上はあるのに人員が多すぎる時間帯、客単価は低いのに仕込み負担が大きいメニュー、ロスが出やすい曜日を見つけることで、より実務的な改善につながります。

損益計算を経営改善につなげる方法

損益計算は、数字を作って終わりではありません。大切なのは、数字から次の行動を決めることです。原価が高ければレシピや仕入先を見直し、人件費が重ければシフトを調整し、固定費が重ければ必要な売上目標を明確にします。

また、店舗全体の損益だけでなく、メニュー別の原価率や粗利額も確認すると、改善の優先順位がつけやすくなります。利益を残すメニュー、集客するメニュー、追加注文につなげるメニューを分けて考えることで、無理な値上げだけに頼らない改善ができます。

損益計算は日々の原価管理から始める

損益計算は月末にまとめて確認するだけでは、改善が遅れることがあります。仕入価格が変わったとき、新メニューを追加したとき、販売数が変化したときに、原価や利益への影響を確認できる状態を作ることが大切です。

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※この記事内の数値例は、原価計算の考え方を説明するためのサンプルです。実際の原価率や適正価格は、業態、仕入れ条件、地域、メニュー構成によって異なります。

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