飲食店の損益管理とは?進め方と見方

飲食店の損益管理について、売上、原価、経費、利益の見方、基本的な進め方、改善につなげる考え方を解説します。

飲食店の損益管理は、売上から原価や経費を差し引き、店舗にどれだけ利益が残っているかを確認するための管理です。売上が伸びていても、食材費、人件費、家賃、水道光熱費、広告費、廃棄ロスが増えていれば、最終的な利益は残りません。損益管理を行うことで、今の経営状態を感覚ではなく数字で把握し、値上げ、仕入れ、シフト、メニュー改善の判断がしやすくなります。

飲食店 損益管理を確認する店長と月次表のイメージ

飲食店の損益管理とは

飲食店の損益管理とは、売上、原価、経費、利益の流れを整理し、店舗が黒字なのか赤字なのかを確認することです。会計上の損益計算書だけでなく、日々の経営判断に使える月次の管理表として見ることが重要です。

たとえば、月商300万円の店舗で食材費が100万円、人件費が90万円、家賃や水道光熱費などの固定費が80万円かかっていれば、残る利益は30万円です。売上だけを見ると順調に見えても、原価や人件費が重くなると利益はすぐに減ります。

損益管理で見るべき項目

損益管理では、売上高だけでなく、売上を作るためにかかった費用を分けて確認します。特に飲食店では、食材費と人件費を合わせたFL比率が利益に大きく影響します。ここに家賃、光熱費、広告費、消耗品費、決済手数料などを加えて、最終的な利益を見ます。

  • 売上高
  • 食材費、原価
  • 人件費
  • 家賃、水道光熱費、通信費
  • 広告費、販売促進費
  • 廃棄ロス、値引き、作り直し
  • 営業利益

項目を細かくしすぎると管理が続きにくくなります。最初は売上、食材費、人件費、固定費、利益の大枠を押さえ、慣れてから内訳を増やすと運用しやすくなります。

飲食店 損益管理で売上と経費を確認する表のイメージ

損益管理が重要な理由

損益管理が重要なのは、売上があることと利益が出ていることは別だからです。客数が増えて忙しくなっても、原価率が上がり、人件費が増え、ロスが発生していれば利益は残りにくくなります。忙しいのに資金繰りが楽にならない店舗では、損益管理が不足していることがあります。

また、損益管理をしていないと、どの費用を見直すべきか判断できません。売上を増やすべきなのか、仕入れを見直すべきなのか、シフトを調整すべきなのか、メニュー価格を変えるべきなのかが曖昧になります。数字を分けて見ることで、改善策の優先順位が明確になります。

損益管理の基本的な進め方

まずは月別に売上と経費を記録します。次に、売上に対して食材費、人件費、固定費がどれくらいの割合を占めているかを確認します。たとえば売上300万円、食材費90万円、人件費90万円なら、食材費率は30%、人件費率は30%、FL比率は60%です。

このように割合で見ると、月による売上規模の違いがあっても比較しやすくなります。前月より売上が増えたのに利益が減っている場合は、原価、人件費、ロス、販促費のどこかが増えている可能性があります。

損益を月末ではなく途中で見ること

損益管理は、月末に結果を確認するだけでは遅い場合があります。月が終わってから赤字に気づいても、その月の仕入れやシフトはもう変えられません。実務では、月の途中で売上、原価、人件費の進み方を確認することが重要です。

たとえば月の前半で売上が予定より低いのに、仕入れや人件費が通常通り進んでいる場合は、後半で販促を強める、仕込み量を抑える、シフトを調整するなどの対応ができます。損益管理は、過去を振り返る資料ではなく、今月の着地を修正するための道具として使うと効果が高まります。

損益管理でよくある失敗

損益管理でよくある失敗は、売上表と経費表が別々になっていて、利益までつながっていないことです。売上管理、仕入れ管理、人件費管理をそれぞれ行っていても、まとめて見なければ店舗全体の状態はわかりません。

もうひとつの失敗は、数字を記録するだけで改善に使わないことです。損益表を作っても、どのメニューを見直すのか、どの曜日のシフトを調整するのか、どの仕入れを変えるのかまで決めなければ、経営は変わりません。数字を見た後の行動までセットで考えることが大切です。

損益管理は原価管理と一緒に行う

飲食店の損益管理では、売上と経費だけでなく、メニューごとの原価を把握することが欠かせません。原価がわからなければ、どの商品が利益を生んでいるのか、どの商品が利益を圧迫しているのか判断できません。月次の損益とメニュー原価をつなげることで、より具体的な改善ができます。

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※この記事内の数値例は、原価計算の考え方を説明するためのサンプルです。実際の原価率や適正価格は、業態、仕入れ条件、地域、メニュー構成によって異なります。

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