飲食店の利益率は、売上がどれくらい利益として残っているかを示す重要な指標です。売上が伸びていても、食材費、人件費、家賃、光熱費、手数料などが増えていれば、手元に残る利益は少なくなります。利益率を見ることで、単に売れている店なのか、きちんと利益が残る店なのかを判断しやすくなります。

飲食店の利益率とは
飲食店の利益率とは、売上に対して利益がどれくらい残っているかを割合で表したものです。一般的には、売上総利益率、営業利益率、最終利益率などがありますが、店舗経営で特に見たいのは営業利益率です。営業利益率は、売上から食材費、人件費、家賃、水道光熱費、広告費などを差し引いたあとに残る営業利益の割合です。
計算式は、営業利益 ÷ 売上 × 100 です。たとえば売上が300万円、営業利益が30万円なら、営業利益率は10%です。売上だけを見ると好調に見えても、営業利益率が低ければ、忙しいのに利益が残らない状態になっている可能性があります。
営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上 × 100
利益率の目安と注意点
飲食店の営業利益率は、業態や立地、規模によって大きく変わります。一般的には10%前後を一つの目安として考えることが多く、利益率10〜15%を目標にするケースもあります。ただし、カフェ、居酒屋、ラーメン店、テイクアウト専門店、高級店では、原価構造も人件費のかかり方も異なります。
大切なのは、平均値に合わせることではありません。自店の客単価、席数、回転率、仕入れ条件、家賃、人員体制をもとに、どの利益率なら経営を続けられるかを確認することです。平均より高いか低いかだけで判断すると、改善すべき場所を見誤ることがあります。

利益率が低くなる主な原因
飲食店の利益率が低くなる原因は、売上不足だけではありません。売上はあるのに利益が残らない場合、費用のどこかが膨らんでいる可能性があります。
- 食材原価が上がっているのに売価を見直していない
- 仕込み量や提供量が安定せず、ロスが増えている
- 人員配置が売上の波に合っていない
- 利益率の低いメニューばかり売れている
- デリバリー手数料や決済手数料を考慮していない
- 家賃や光熱費などの固定費に対して売上が足りない
特に見落としやすいのが、メニューごとの利益差です。売れ筋メニューでも、原価が高く手間もかかる場合、店舗全体の利益率を下げていることがあります。
利益率を上げるための基本
利益率を上げるには、単純に値上げをするだけでは不十分です。まずは食材原価、人件費、固定費を分けて確認し、どこに改善余地があるかを整理します。
食材原価では、仕入単価、使用量、廃棄ロス、盛り付け量のブレを確認します。同じメニューでも、仕込み担当者によって使用量が変わると原価率が安定しません。レシピごとに使用量を決め、実際の仕入価格を反映して原価を見直すことが重要です。
人件費では、忙しい時間帯と暇な時間帯を分けて考えます。売上が低い時間帯に人員が厚すぎると、利益率は下がります。一方で、人を減らしすぎると提供品質が落ち、客単価や再来店にも影響します。売上、人員、提供スピードをセットで見ることが大切です。
利益率をメニューの組み合わせで見ること
利益率改善では、店舗全体の平均だけを見るのではなく、メニューの組み合わせで見ることが重要です。原価率の低い商品だけを増やせばよいわけではありません。集客力のある商品、注文されやすい商品、追加注文につながる商品、利益を残す商品は役割が違います。
利益率は、1品ごとの数字ではなく、注文全体で利益が残る設計になっているかを見る指標です。
たとえば主力メニューの利益率が低くても、ドリンク、サイドメニュー、セット化によって注文全体の利益が改善することがあります。逆に、単品では利益率が高くても注文数が少なければ、店舗全体への貢献は限定的です。
利益率管理は日々の原価確認から始める
利益率を安定させるには、月末に売上と経費をまとめて見るだけでは遅くなります。仕入価格が変わった時点、メニューを変更した時点、販売数に変化が出た時点で、原価と利益への影響を確認できる状態にしておくことが大切です。
COST PANDAでは、材料マスタやメニューごとの原価管理を通じて、食材費の変化やメニュー別の原価率を確認しやすくできます。利益率を感覚で判断せず、売価、原価、販売数を見ながら改善したい飲食店は、日々の原価管理から見直してみてください。
※この記事内の数値例は、原価計算の考え方を説明するためのサンプルです。実際の原価率や適正価格は、業態、仕入れ条件、地域、メニュー構成によって異なります。
コラム一覧へ戻る